子供+大人=恋?の方程式
*
あたしが拓斗と一緒に帰るようになって、一週間が経った。
その間、何かがあるとかそんな雰囲気も素振りさえもない。
ここまで来ると、ただの圭くんの思い過ごしなんじゃないかな~なんて、あたしは思ったりする。
「さて、じゃあ帰るか」
「うん…」
いつものように交わされる会話。
だけど、何もない今、なんか拓斗にさえも申し訳なく思ったりして。
「ねぇ、拓斗…」
下駄箱で靴を履き替えながら、あたしは拓斗に気になっていることを聞いた。
「毎日、あたしと一緒に帰ってさ、大丈夫なの?」
「何が?」
「何がって、あんたには彼女とか気になる女の子とか居たりしないのかって…」
拓斗はピタリと止まると、冷たくあたしのことを見てきた。
「お前な…。
それは、イヤミか?」
「へ?」
「自分には彼氏が居て、幸せだからって―――」
「別にそういう意味で言ったんじゃないわよ!
ただ、あたしはもしあんたに好きな子とかが居たのなら、誤解されたりして悪いんじゃないかと思っただけで…」
「あのな…。
俺は、そこまでお人よしじゃない。
彼女や好きな奴が居たら、いくら圭史に頼まれたからって、毎日お前と帰ったりしねぇよ。
彼女優先に決まってんだろ」
「え? じゃあ…」