子供+大人=恋?の方程式


「何か呼び出されるようなまずいことやったわけ?」


「別に…、人に迷惑をかけるようなヤバイことはやってない。

ただ――…」


「ただ?」


「―――英Ⅰとグラマーで驚くほどの赤点を取った」





 ただの赤点だけではなく、その前の驚くほどっていう言葉をつけたことが、かなりまずい点数を取ってしまったんだ。


 確かに、あたしは圭くんの鬼家庭教師に今回のテスト中はかなり絞られてたけど、思い出せば、拓斗は相変わらずテスト勉強もしてなかったような気が―――…


「自業自得なんじゃない?」


「うるせぇ。

俺は今までこのスタイルで乗り切ってたんだよ」


「でも、今回は乗り切れてないんでしょ?」





 痛いところを突かれたとばかりに、拓斗は「うっ…」と呻く。


「とにかく、呼び出されてるんだから、さっさと職員室に行ったほうがいいわよ。

義務教育の中学とは違って、高校の場合は留年があるんだからね」


「わかってるよ!」





 本当にわかってる?


 だって、そう言いながらも昇降口を出て行こうとしている拓斗を見ると、わかってるなんて全然思えない。





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