子供+大人=恋?の方程式
「誰だ?」
『それは――…、来てのお楽しみ。
早く来ないと、あなたの大切な茅乃ちゃんが傷物にされちゃうわよ』
「場所はどこだ?
場所もわからないのに、すぐになんて行けない。
俺にわざわざ連絡を入れてきたってことは、俺がそこに行くことをお前は望んでいるんだろう?」
ホゥと感嘆の息を漏らす静香の吐息が聞こえてきた。
それと同時に、やっぱりな…と思う自分が居た。
静香の本当の望みは俺だ。
茅乃はその餌でしかない。
もし、あいつが嫉妬に駆られただけで、茅乃を攫ったのなら、俺にわざわざ連絡をしてくることもない。
心の中では、焦りがありながら、最悪のことまで想像しながらも、心の隅に、大丈夫だと冷静に思っている自分がいる。
『場所は、圭史も知ってる場所よ。Club『ZECS(ゼクス)』。
そこに、茅乃ちゃんは居るわ。
マスターに頼んで、今日は貸切にしてもらってるの。
だから、誰にも邪魔されない』
「―――ZECS…」
その名前を聞いた時、俺の中に一人の男の顔が浮かび上がる。
だけど、まさかな―――…。
あいつが、静香に手を貸すなんて―…。
いくらなんでもないだろ?
仮にもあいつは俺の―――…