子供+大人=恋?の方程式
奥にある個室のように仕切られている部屋のソファに手を後ろに回した状態で心配そうに俺のことを見ている茅乃が見えた。
―――居た…
「茅乃!」
名前を呼び、近づこうとしたところで、後ろから誰かにしがみつかれた。
この、香水の匂いは―――…
嗅ぎなれていた香水の匂いに、俺は確認する必要もなく、誰か気づく。
「―――静香…」
「やっぱり、来てくれた………」
自分から指定してきたくせに、そんなことを言う静香。
やっぱり、普通じゃない。
「俺は――…、茅乃を迎えに来ただけだ―――…」
ソファに座ったまま動かない茅乃。
もしかしたら、何かで固定されているのかもしれない。
心配そうに俺のことを見てくる茅乃に、俺は優しく微笑んだ。
『大丈夫だ』という意味を込めて。
そんな茅乃の前に、一人の影がかかる。
俺は、そいつの顔を見た瞬間、目を見開いた。
だけど、それと同時にやっぱりという思いもあった。
「誠―――…」
やっぱり、静香が言っていたよく知っている人物ってお前だったんだな―――…