子供+大人=恋?の方程式
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地下へと続く暗く細い階段。
それを、誠さんに手を捕まれた状態で歩いていく。
どちらかというと、こういう感じのところは、この年では近づいたことさえもないあたし。
なんとなく悪い空気がぷんぷんとしてきて、おまけに、今の自分のこの状況。
まさしく、ピ~ンチって感じ?
静香さんは、持っていたらしい鍵をドアに差し込むと鍵を開ける。
どうやら、お店らしい雰囲気だけど、そのお店の鍵を静香さんが開けるところを見ると、ここには誰もいないみたい。
静香さんが鍵を開けている時に見たんだけど、壁には『CLUB ZECS』と書かれていた。
ハァ…。
人生初めてのクラブに来るというのが、まさかこんな形になるとは―――…。
もちろん、高校生であるあたしがこんな場所に来ることなんてあるはずなくて。
きっと、大学生とかになって、順々にクラブに行ったりなんてことも、こんな形であっという間に飛び越えちゃったよ。
店の中ほどまで静香さんは入ると、カウンターに持っていた鞄を置く。
そして、鞄の中を見ながら何かを探し始めた。
「あっ、ちょっと!」