子供+大人=恋?の方程式
思わず声をあげて制止する。
だけど、それも当たり前だよ。だって、静香さんが探している鞄の中って、あたしの鞄なんだもん。
もちろん、学校に持っていっているものだから、その中には勉強道具一式が入っていて―――…。
人の鞄の中を許可も無く漁るってどうかと思うけど、静香さんはあたしの制止の言葉なんてまるっきり無視してくれちゃってる。
もう!
本当、なんなの?この人―――…。
怖いとかいう以前に、礼儀さえもなってない!
沸々と湧き上がってくる怒り。
そんなあたしの気持ちが表情に表れていたのか、「まあまあ」と誠さんはあたしの肩をポンポンと叩いて宥(なだ)めてくる。
今、誠さんに宥められても、余計に怒りが増すだけなんですけど!?
その間にも、どうやら静香さんは探し物が見つかったらしい。
だけど、あたしの鞄の中を漁って探すようなものって?
その答えは、静香さんの手に持たれているものを見れば、一目瞭然だった。
「ちょっと、それ、あたしの携帯!
一体、何するつもりなのよ!」
携帯となれば、友達のアドレスとかいろいろと入ってて、所謂身近な個人情報の宝庫だよ?
それを、本人の承諾も無く使おうとするなんて、言語道断!
静香さんは携帯から、あたしへと視線を向けるとフッと笑う。