子供+大人=恋?の方程式


「そんなことあるわけないでしょ!」


「え~…、あるわけないの~? 

つまんない~…。

なに、その男って、魅力がないとか? 

かっこよくないとか………」


「うっ………」





 かっこ…いいとは思う。


 あれは嘘でもかっこ悪いとは言えないほどにかっこいいとあたしは思う。


 だけど、性格は最悪。


 それに―――


「かっこいいとか悪いとか以前に、あたしはそういう対象として見てないもん!」


 というか、圭くんなんて、絶対に好きになるわけがない。


 あんな顔だけ男。


 性格なんて最悪じゃん。





 昨日だって、思いっきり宿題を出されて放心状態のあたしを見て、大笑いしやがった。


 おまけに

「ちゃんとしないと、どうなるかわかってんだろうな」

なんて、脅し文句付きだよ。


 有り得ないって!


「えっ? 

ってことは、その人かっこいいの?」





 しまった。


 かっこ悪いと否定しなかったから、真澄はますます興味をかられてる。


 そんな真澄の耳にはさっき、あたしが「対象として見ていない」という言葉は聞こえてなかったみたい。


 呆れて「知らない」とあたしはぞんざいに返事をする。


「もう、茅乃ったら。それぐらい教えてくれてもいいじゃない。ケチッ!」


「知るか! 大体ね、家庭教師がカッコいいかかっこ悪いかなんて、真澄には関係ないじゃない」


「ぶ~…。冷たいぞ。茅乃~!」





 プンプンと怒っている真澄を見ていると、あたしはどうしてこの子と親友なんてやってるんだろうと不思議で仕方なくなってくる。










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