子供+大人=恋?の方程式


「お前んとこのおばさんから送られてきた」


「な、なんですって!」





 ママったら、いつも頭の回線が一本抜けてると思ってたけど、こんなことするなんて、一本どころじゃ済まないぐらい抜けてるわよ!


「だけど……、一応、お前の字と似てるけど、お前の字じゃないよな?」


「あ、当たり前でしょ! 

こんなものにサインなんてした覚えは全然ないわよ!」





 第一ね、この話ははっきりきっぱりとお断りしたはずでしょ。


 確かにあたしは今、圭くんと付き合ってるけど、だからといって、結婚をするつもりは全然ないんだから。


 そりゃ、大人になったらわからないけど、今のあたしは高校に入ったばかりの十五歳なのよ。


 そりゃ、十六歳にもうすぐなるけど―――…。


 まさか、こんなの早く婚姻届とか用意しているのは、十六の誕生日が来たと同時に投函しようとかそういう魂胆か!?


「じゃあ、ウチのお袋と組んで、強行突破と来たんだな」


「ぇえ!? 

圭くんとこのおばさんも絡んでるの!?」





 ウチのママの独断だと思ってた―――…。


「ああ。

帰るたびに言われる。

お前が娘になってくれたらとか、お前と一緒で俺も婚姻届に記入しろって、何度も言われてるしな…。


「もちろん、そこは断ってくれてるんでしょうね!」


「まあ、一応?」





 そこで、なぜ疑問系?


 怪訝な目で圭くんのことをジト~…と見ていると、圭くんはふと視線を逸らす。





 なぜ、そこで視線を逸らす?


 まさか、こいつ―――…





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