子供+大人=恋?の方程式


「あ、あのね、圭くん。

あたし、まだ、そういうのはちょっと―――…」





 そうやって優しく言葉で抵抗している間にも、圭くんの手は器用にあたしが着ている制服のボタンを外していく。


 ちょっと待ってよ。


 どうして、こんなに手際がいいわけ?





 そこまで考えて、『あ、そうか』と納得する。


 圭くん、女関係がお盛んだったんだ。


 なんて、今頃納得してどうするんだ、あたし!


「ま、待って、待って! 

圭くん、ちょっと!」





 強引に顎をつかまれ、上を向かせられたかと思うと、塞がれる唇。


「―――ん…、んっ!」





 こんなことをされてたら、このまま流れ込みそうで怖い!


 なんとか引き剥がそうともがくものの、もがけばもがくほど、圭くんのキスは深くなっていく。


 そのうち、このままいっか…なんて思い出して、あたしはハッとする。


 それじゃ、ダメじゃない。





 何度ももがいていると、ふと圭くんの腕があたしから離れた。


 あれ?と思っていると、圭くんはニヤリと笑う。


「まあ、これから先もお前の家庭教師を続けるし、親は味方だしな。

今、焦る必要もないから、気長に待ってやるよ」





 ん?


 これって、感謝するべき?


 するべきかもしれない。


 でも、すごく上から目線で言われたあたしはムッとしてしまう。


 絶対に、圭くんから自分の身を守ってやる!





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