子供+大人=恋?の方程式
横からまたも余計な一言を言おうとする拓斗にあたしは噛み付く。
確かに、拓斗からしたら、圭くんはそれほど悪い奴じゃないかもしれない。
だけど、あたしから見たら、昨日のことからも、圭くんはやっぱり意地悪だと思う。
それと共に、昔散々いじめられていた記憶が甦る。
いじめられていたというのは大げさだけど、あたしはかなりあいつに泣かされていた気がする。
今でも思い出す。
小さいあたしに向かって、威圧的に、
『邪魔だから、あっちに行けっ!』
と言い放った奴の顔。
あの時、あたしは幼いながらも奴のことを『悪魔』だと思った。
恐らく、あれからだな。
あたしが、奴に近づこうとは思わなかったのは。
あんなことを言われるぐらいなら、寂しくても一人で遊んでいたほうがマシだと、子供ながらに学習した。
「つまり、そういうわけなのよ。
あいつは………」
「素敵じゃない!」
「………はい?」