子供+大人=恋?の方程式
「基礎問題はほぼ完璧。
別に現代文の成績は悪くはない。
それなら、読解力がないとかってわけじゃないんだよな?」
目の前であたしが解いたノートを見ながら、考え込む圭くん。
「つまり、どの公式をどの問題で使えばいいのかということができないと………」
圭くんは、頬杖をつきながらトントンと軽く指で机を叩いていると、急にあたしのことを見てきた。
突然の鋭い視線に、不覚にもドキッとしてしまったあたし。
「こればっかりは、どうやるとか教えてやるよりも数をこなして身につけるしかないな」
「え?
コツとか教えてくれないの?」
家庭教師なんだもん。
普通は、この問題にはこの公式を使うとかヒントやコツを教えてくれるものじゃないの?
「基礎問題だとやり方とか教えるべきだと思うけど、これだけはな………。
数をこなすしかないだろ」
「はあ?」
じゃあ、何のための家庭教師なわけ?