子供+大人=恋?の方程式


「な~に~? 茅乃~?」

と、暢気なママの声が少し経ってから階下から聞こえてきた。





「すみません。なんでもないです!」





 そう答えたのはあたしではなく、圭くん。


「あら、圭くん。

そう? 

それならいいんだけど」





 ママったら、呼んだのはあたしじゃん。


 代わりに圭くんが答えているということに疑問を感じないわけ?


「―――フゥ…。行ったな」


「…んっ!」





 安心したのかホッと吐いた圭くんの息が後ろから口を押さえられていたあたしの首筋にかかる。


 妙なその感覚に、あたしはギュッと目を閉じた。


 おまけに、近づきすぎているせいか、圭くんから微かなタバコの臭いがするよ。


「ん? 

なに、今の? 

もしかして、お前感じてるわけ?」





 ―――――!!!?





< 62 / 509 >

この作品をシェア

pagetop