ゼロクエスト ~第1部 旅立ち
「ねぇねぇ、そういえばさっき入口ですれ違った人、見た? 超カッコ良くなかった?」
「見た見た! マジで超美形だったよね!」
声主たちの格好から察するに、アーチャー(弓術士)とモンク(格闘術士)のようだ。外見も私とそれほど年齢差がないくらいの少女たちである。
(超カッコいい? 超美形?)
その言葉で、私は思わず聞き耳を立てた。
「さっき思い切って声かければよかったなぁ。ああ、もう一度逢いたい…あの騎士サマに…」
溜息混じりのウットリとした声で呟いたのは、アーチャーの女の子。持っている弓を両手で抱え込み、宙を見詰めている眼は虚ろだ。
「えーあんたナニ言ってんの? あの人、騎士さまじゃなかったよ。どう見てもただの剣士って感じだったし」
「いいの! あたしにとっては騎士サマなの! だってあたしにはバックに花が見えたんだもん。大量の真っ赤なバラの花が満開に咲き誇ってる、みたいなさ」
「きゃははっ、何それぇ。それってあんただけの騎士さまに対するイメージじゃん」
女の子たちはハシャギながら服を脱ぎ終えると、私の背後を通って浴室のほうへ移動していった。
「見た見た! マジで超美形だったよね!」
声主たちの格好から察するに、アーチャー(弓術士)とモンク(格闘術士)のようだ。外見も私とそれほど年齢差がないくらいの少女たちである。
(超カッコいい? 超美形?)
その言葉で、私は思わず聞き耳を立てた。
「さっき思い切って声かければよかったなぁ。ああ、もう一度逢いたい…あの騎士サマに…」
溜息混じりのウットリとした声で呟いたのは、アーチャーの女の子。持っている弓を両手で抱え込み、宙を見詰めている眼は虚ろだ。
「えーあんたナニ言ってんの? あの人、騎士さまじゃなかったよ。どう見てもただの剣士って感じだったし」
「いいの! あたしにとっては騎士サマなの! だってあたしにはバックに花が見えたんだもん。大量の真っ赤なバラの花が満開に咲き誇ってる、みたいなさ」
「きゃははっ、何それぇ。それってあんただけの騎士さまに対するイメージじゃん」
女の子たちはハシャギながら服を脱ぎ終えると、私の背後を通って浴室のほうへ移動していった。