ゼロクエスト ~第1部 旅立ち
「エドがこのように美しい楽曲を弾くことのできる、偉大なる演奏家だったとは。生まれて初めて聴いたが、益々素晴らしい! 今俺は猛烈に感動しているのだ!」

「あんた、今まで寝てたんでしょーが」

それでよく感動できるものだ。それともこの人、ワザと言っているのだろうか。この大袈裟な振る舞いは、そうとしか思えないのだが。

(しかも生まれて初めて……え?)

私はその言葉に、少し引っ掛かりを覚えた。

「アレックスって、今までエドの演奏を聴いたことがなかったの?」

「勿論です〜。戦闘に参加していませんでしたし〜。それに〜僕とアレックスさんが知り合ったのって〜ついさっきのことですしねぇ〜」

「! ちょっと待って。あんたたち、ずっと一緒に旅をしていたんじゃなかったの?」

最初からこのパーティは、おかしいと思っていた。
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