ゼロクエスト ~第1部 旅立ち
(あの募集の張り紙、やっぱりこの人だったのか)

カタトス町の掲示板で見かけた、読みづらい字で書かれたあの張り紙。

「それを僕が見つけて〜僕も巡礼の旅の途中でしたし〜丁度仲間も欲しかったところなので〜」

エドも巡礼者だったのか。しかし普通であれば、そんな募集などには引っ掛からないはずだ。私は当然のごとく湧いた疑問をぶつけてみた。

「いくら仲間が欲しかったっていっても、魔王退治なんて怪しいとか思わなかったわけ?」

「もし本当に〜魔王がいるとしたら〜一度でも会ってみたいと思うのが、人間じゃないですか〜。僕もこう見えて芸術士なので〜今まで出会ったことのないモノで〜最高傑作の作品を〜創りたいと思ったのですぅ〜」

平然とこんなことを言うエドから、私は無言で視線を逸らしていた。

最高傑作を創る前に、死ぬだろうがフツー。芸術士の考えていることは全く理解できない。
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