ゼロクエスト ~第1部 旅立ち
「何だ?」

肩越しに振り向いたアレックスは、相変わらず涼しげな眼差しをこちらへ向けてくる。

だがその眼差しとは対照的に、全身からは漲る熱い闘志を感じ取ることができた。やる気十分、といった様子である。

「ここは隠れて、一旦様子を窺ったほうがいいんじゃないかしら」

「言語道断! 戦わずして逃げるなど、俺には有り得ぬ選択肢だ」

予想通りの反応ではあったが、更に私は静かに諭すように、アレックスに向かって微笑みかけた。
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