ゼロクエスト ~第1部 旅立ち
「神風護壁(ヴィン・マオ・デュウ)」

私は咄嗟に風のシールドを張った。

降ってきたのは針だけではなかった。クチバシからも光球を吐き出してきたのだ。

私がよく使う灯りよりも遥かに白く、強い輝きを放っていた。それは私の足元へ飛弾し、地面へ触れると同時に爆発した。

私と近くにいたエドは爆風を防ぎきれず、吹き飛ばされて背後の壁に叩き付けられてしまった。

(これのどこが『おもてなし』なのよっ!)

膝をつき、全身を打った痛みに耐えながら声にならない悲鳴を上げた。それとも魔物にとっての『おもてなし』とは、これが一般常識なのだろうか。

体勢を立て直す間もなく、針と光球は容赦なく降ってくる。

「神撃水剣!」

アレックスは私たちの前へ駆け付けると、属性を付けた剣で立ち向かっていった。針は叩き落とされ、切った光球は爆発もせずにそのまま空中で水蒸気となり、霧散する。

剣がクリスタルのように透明な淡い光を放っていた。柄に埋め込まれている精霊石を見ると、水属性の紋様が浮かび上がっている。
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