ゼロクエスト ~第1部 旅立ち
起き上がったスケルトン・キラーたちは、即座に斬りかかってきた。

その上、上空からも針の攻撃。

いつの間に現れたのか、怪鳥は更にもう2体増えていた。

攻撃は物理攻撃のみで術攻撃はしてきていない。私たちには術が効かないとでも思っているからだろう。

私は未だに、英雄が実在していたとは信じていなかった。

確かにアレックスは魔物の放った術を、術文も使わずに跳ね返していた。

だが彼の言葉通り、本当に英雄の末裔なのか。そして「精霊に選ばれた」とは、一体どういうことなのか。まだ分からないことだらけだった。

しかし今はそんなことを考えている余裕はない。上空と地上の攻撃を避けるだけで、精一杯なのである。取り敢えず今は余計なことを考えるのは後回しだ。

「神風護壁(ヴィン・マオ・デュウ)!雷風烈破(フード・ヴァン・デスト)!」

半年前の私とは違う。

その頃はまだ2つの技を同時に出すことはできなかったが、今はそれが可能となった。といっても、風属性のみではあるのだが。
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