ゼロクエスト ~第1部 旅立ち
怪鳥のほうは、あっさりと私の攻撃を避けつつ交互に針を仕掛けてくる。

アレックスはスケルトン・キラーと戦っているが、倒す度に復活していた。

それは当然、リチャードが原因だった。核を壊されたスケルトン・キラーに遠方から、再び新しいものを補充してくるのだ。あの骨を燃やし粉砕できれば何とかなるのだが、今の私の能力では核を壊すだけで精一杯である。

私は徐々に疲れてきていた。

精霊術士は精神力をかなり使う。それを維持するために体力も奪われる。このままでは消耗戦になってしまうだろう。

(あの核(コア)って、無くなったりはしないのかしら。このままじゃ埒が明かないわ)

少なくとも、無限にあるという代物ではないはずだ。

私はリチャードに目をやった。

リチャードは冷笑を浮かべながら、こちらをじっと見ていた。
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