ゼロクエスト ~第1部 旅立ち
エリスの作戦
自分でも不思議だった。
中位クラスであるリチャードと私たちとの力の差は歴然である。
確実に私たちのほうが負ける。
いや、弱音を吐いているわけではない。それが現実なのだ。
それが分かっていても、なお私には戦う余力が残っていた。
「我に従いし僕(しもべ)たちよ。汝、我の命を聞き給へ。汝、我の……」
唄が始まった。
エドは敵の攻撃を避けながらも、なんとか四隅の一角を確保している。
私は前方に立ちはだかると、攻撃からエドを守っていた。この場所ならば両脇には壁があるため、四方から敵に囲まれる心配はない。攻撃範囲も狭くなり、そのほうが援護し易かった。
と、その途中でスケルトン・キラーの動きに異変が起きた。
私たちの周りにいた数体のスケルトン・キラーが、仲間に攻撃を始めたのだ。
一瞬だが、こちらへの攻撃が止まった。私はその瞬間を狙っていた。
「アレックス!!」
目の前にいる背中に向かって叫んでいた。
中位クラスであるリチャードと私たちとの力の差は歴然である。
確実に私たちのほうが負ける。
いや、弱音を吐いているわけではない。それが現実なのだ。
それが分かっていても、なお私には戦う余力が残っていた。
「我に従いし僕(しもべ)たちよ。汝、我の命を聞き給へ。汝、我の……」
唄が始まった。
エドは敵の攻撃を避けながらも、なんとか四隅の一角を確保している。
私は前方に立ちはだかると、攻撃からエドを守っていた。この場所ならば両脇には壁があるため、四方から敵に囲まれる心配はない。攻撃範囲も狭くなり、そのほうが援護し易かった。
と、その途中でスケルトン・キラーの動きに異変が起きた。
私たちの周りにいた数体のスケルトン・キラーが、仲間に攻撃を始めたのだ。
一瞬だが、こちらへの攻撃が止まった。私はその瞬間を狙っていた。
「アレックス!!」
目の前にいる背中に向かって叫んでいた。