ゼロクエスト ~第1部 旅立ち
中位クラスというのは物理よりも術攻撃主体で戦う者が多いと、以前父から聞いたことがあった。接近戦で向かってくる敵に対しては前衛に下位クラスを使い、自らは後方で術を放ってくるのだという。
無論全ての中位クラスがそれに当てはまるわけではない。
遠方から私たちを見物しているだけのリチャード。彼を見ている間に、ふと父の話を思い出したのである。
つまり私は「見物する」という理由の他にもう一つ、彼は物理攻撃が不得手なために、自らが直接手を出してはこないのだろうと思ったのだ。
もし私の推測が正しければ、こちらにもまだ少しくらいは勝機があるのかもしれない。
リチャードの話が本当なら、アレックスには術攻撃が効かないのである。スケルトン・キラーが混乱している間を潜り抜け、その隙に敵の懐へ入り込むことができるのなら、リチャードに何らかのダメージを与えられるかもしれないのだ。
勿論これらは私の憶測であり、カケである。
私はこれに全てを掛けていた。
だが。
「…?」
アレックスは動かない。
無論全ての中位クラスがそれに当てはまるわけではない。
遠方から私たちを見物しているだけのリチャード。彼を見ている間に、ふと父の話を思い出したのである。
つまり私は「見物する」という理由の他にもう一つ、彼は物理攻撃が不得手なために、自らが直接手を出してはこないのだろうと思ったのだ。
もし私の推測が正しければ、こちらにもまだ少しくらいは勝機があるのかもしれない。
リチャードの話が本当なら、アレックスには術攻撃が効かないのである。スケルトン・キラーが混乱している間を潜り抜け、その隙に敵の懐へ入り込むことができるのなら、リチャードに何らかのダメージを与えられるかもしれないのだ。
勿論これらは私の憶測であり、カケである。
私はこれに全てを掛けていた。
だが。
「…?」
アレックスは動かない。