ゼロクエスト ~第1部 旅立ち
「このままだと、アレックスの身が持たないわね」
壁に何度も全身を打ち付けている上に、スケルトン・キラーや怪鳥の攻撃を多少なりとも受けているのだ。動きに法則性がないために今のところ直に当たっている様子はないが、この状態が続けば危険である。
「なんとか〜止める方法とかって〜ないんでしょうか〜」
「! て、あんたが自分でかけたんでしょうが。それよりこの術、一体どれくらい持つの?」
「さっきのスリープと同じで〜約10〜20分の間くらいじゃ〜ないでしょうか〜」
たかが10分。されど10分。
人間の身体というものは力を全力(フル)で継続的に出し続けた場合、個人差はあれども恐らく10分と持たないだろう。
通常は脳が肉体の限界値を超えないよう、無意識下でセーブしているはずである。極端な話、身体が疲労しない程度の力を少量ずつ出力できれば、体力の続く限り長時間戦い続けることも可能なのだ。
しかし今のアレックスでは正常な判断力がなくなっているため、それが期待できないのも確かだった。私は残りのスケルトン・キラーを倒しながらも、頭の中では対策を必死に考えている。
その時、アレックスの行動が目に入った。彼は中央の階段を駆け上がろうとしていたのだ。
壁に何度も全身を打ち付けている上に、スケルトン・キラーや怪鳥の攻撃を多少なりとも受けているのだ。動きに法則性がないために今のところ直に当たっている様子はないが、この状態が続けば危険である。
「なんとか〜止める方法とかって〜ないんでしょうか〜」
「! て、あんたが自分でかけたんでしょうが。それよりこの術、一体どれくらい持つの?」
「さっきのスリープと同じで〜約10〜20分の間くらいじゃ〜ないでしょうか〜」
たかが10分。されど10分。
人間の身体というものは力を全力(フル)で継続的に出し続けた場合、個人差はあれども恐らく10分と持たないだろう。
通常は脳が肉体の限界値を超えないよう、無意識下でセーブしているはずである。極端な話、身体が疲労しない程度の力を少量ずつ出力できれば、体力の続く限り長時間戦い続けることも可能なのだ。
しかし今のアレックスでは正常な判断力がなくなっているため、それが期待できないのも確かだった。私は残りのスケルトン・キラーを倒しながらも、頭の中では対策を必死に考えている。
その時、アレックスの行動が目に入った。彼は中央の階段を駆け上がろうとしていたのだ。