ゼロクエスト ~第1部 旅立ち
私の放った雷撃がアレックスの全身を覆った。そのまま俯せで地面へ倒れ込むと、やがてピクリとも動かなくなる。
「エ、エ、エっエリスさん〜、何やってるんですか〜!? アレックスさんを〜殺す気ですかぁぁぁ〜!!?」
エドは動かない目の前のアレックスを見ると、大慌てで私の肩を強く揺さぶってきた。
「大丈夫。今の術には殺傷能力が全くないはずよ……多分」
私は力をかなり押さえ、全身に少し痺れを感じる程度のものしか放っていない。
しかし何故『多分』というあいまいな表現を付け加えているかというと、一般にはその程度であっても、アレックスにはどの程度の影響が出るか分からないからだった。
中位クラス以上の魔物や人間には殆ど無効なはずの術が、アレックスには効いているのである。つまりは『大した術でなくても効きやすい』体質をしているということになるのだ。
私は以前何処かで、そんな体質を持つ人間が稀にいるという話を聞いたことがあった。
そういった人間は例え威力の少ない術であっても、それ以上のダメージを負ってしまうものらしい。
「エ、エ、エっエリスさん〜、何やってるんですか〜!? アレックスさんを〜殺す気ですかぁぁぁ〜!!?」
エドは動かない目の前のアレックスを見ると、大慌てで私の肩を強く揺さぶってきた。
「大丈夫。今の術には殺傷能力が全くないはずよ……多分」
私は力をかなり押さえ、全身に少し痺れを感じる程度のものしか放っていない。
しかし何故『多分』というあいまいな表現を付け加えているかというと、一般にはその程度であっても、アレックスにはどの程度の影響が出るか分からないからだった。
中位クラス以上の魔物や人間には殆ど無効なはずの術が、アレックスには効いているのである。つまりは『大した術でなくても効きやすい』体質をしているということになるのだ。
私は以前何処かで、そんな体質を持つ人間が稀にいるという話を聞いたことがあった。
そういった人間は例え威力の少ない術であっても、それ以上のダメージを負ってしまうものらしい。