ゼロクエスト ~第1部 旅立ち
アレックスはもしかしたら、この体質の持ち主なのかもしれないと思ったのである。
だがしばらく経っても俯せのままで、動く気配が全くなかった。様子を見ていた私も、やはり心配になってくる。
私は恐る恐る近づき、顔を覗き込んでみた。すると突然アレックスの目が、バチッと見開く。
「ぬぅっ何故だ、動けん!!」
身体は動かず、顔だけが苦しそうにジタバタと藻掻いている。
「あ、なんだ。いつも通りね」
その様子を見た私は額の汗を拭いながら、ほっと息を吐いた。誤って殺してしまったら、流石に寝覚めが悪い。
「アレックスさん〜元に戻って良かったです〜。さっきの〜スリープでの目覚めさせ方といい〜エリスさんの破壊力って〜魔物よりも絶大なのですね〜」
「そうそう。私の破壊力は魔物よりも絶だ……て、ちょっとソレ、どういう意味よ!」
私はまだか弱い少女なのだ。
「魔物より強い」と言われるのは一般の精霊術士としては褒め言葉かもしれないが、可憐な少女の私にとってはやや複雑な心境でもある。
加えて不覚にも、滅多にやらないノリツッコミまでしてしまった。思わずエドの唄に乗せられたカタチだ。
吟遊詩人、恐るべしっ!
だがしばらく経っても俯せのままで、動く気配が全くなかった。様子を見ていた私も、やはり心配になってくる。
私は恐る恐る近づき、顔を覗き込んでみた。すると突然アレックスの目が、バチッと見開く。
「ぬぅっ何故だ、動けん!!」
身体は動かず、顔だけが苦しそうにジタバタと藻掻いている。
「あ、なんだ。いつも通りね」
その様子を見た私は額の汗を拭いながら、ほっと息を吐いた。誤って殺してしまったら、流石に寝覚めが悪い。
「アレックスさん〜元に戻って良かったです〜。さっきの〜スリープでの目覚めさせ方といい〜エリスさんの破壊力って〜魔物よりも絶大なのですね〜」
「そうそう。私の破壊力は魔物よりも絶だ……て、ちょっとソレ、どういう意味よ!」
私はまだか弱い少女なのだ。
「魔物より強い」と言われるのは一般の精霊術士としては褒め言葉かもしれないが、可憐な少女の私にとってはやや複雑な心境でもある。
加えて不覚にも、滅多にやらないノリツッコミまでしてしまった。思わずエドの唄に乗せられたカタチだ。
吟遊詩人、恐るべしっ!