ゼロクエスト ~第1部 旅立ち
再びシルクハットを上へ向ける。また怪鳥やスケルトン・キラーの「核」を出すつもりなのだろうか。或いは別の攻撃が来るのか。
私が緊張の面持ちで身構えていると、突然アレックスが私たちに回していた腕を解いた。そして傍らに置いてあった抜き身の剣を地面へ突き立てると、それを支えにゆっくりと立ち上がったのである。
「その歓迎会には、当然魔王も来賓として来るのだろうな!?」
まだフラフラした身体を抱えつつも力強い声で、びしっと指をリチャードに突きつけた。
それにしてもわざわざ立ち上がり、決めポーズまで作って一体何を言っているのだろう。
一方リチャードはそんなアレックスの態度など気にする様子もなく、不敵な笑みを浮かべたままである。
「主様は不在ゆえ、わたくしが代わりでは不服ですかな?」
「無論だ。俺は魔王本人を倒すために、遠方からわざわざ足を運んでやってきたのだからな!」
(きゃ〜っ!! アレックスってば、なんで上から目線なの!? しかもその身体でこれ以上煽って、どーすんのよっ!!!)
私は泣きたくなった。ああ、眩暈が……。
「おや?」
何かに気付いたようなリチャードの声で、半泣き状態の私は抱え込んでいた頭を上げる。
私が緊張の面持ちで身構えていると、突然アレックスが私たちに回していた腕を解いた。そして傍らに置いてあった抜き身の剣を地面へ突き立てると、それを支えにゆっくりと立ち上がったのである。
「その歓迎会には、当然魔王も来賓として来るのだろうな!?」
まだフラフラした身体を抱えつつも力強い声で、びしっと指をリチャードに突きつけた。
それにしてもわざわざ立ち上がり、決めポーズまで作って一体何を言っているのだろう。
一方リチャードはそんなアレックスの態度など気にする様子もなく、不敵な笑みを浮かべたままである。
「主様は不在ゆえ、わたくしが代わりでは不服ですかな?」
「無論だ。俺は魔王本人を倒すために、遠方からわざわざ足を運んでやってきたのだからな!」
(きゃ〜っ!! アレックスってば、なんで上から目線なの!? しかもその身体でこれ以上煽って、どーすんのよっ!!!)
私は泣きたくなった。ああ、眩暈が……。
「おや?」
何かに気付いたようなリチャードの声で、半泣き状態の私は抱え込んでいた頭を上げる。