ゼロクエスト ~第1部 旅立ち
見るとリチャードの目の前には、白くて丸い物体が浮かんでいた。その中心にある黒い円形状のものが、キョロキョロと忙しなく蠢いている。
端から見れば大きな眼球が1つ、浮かんでいるようにも見えた。更にその両脇には、コウモリのような黒い羽も生えていた。
見たこともない魔物である。
「これはこれは、サラ様が丁度ご到着されたようですな。
ではお望み通り、面会を許可致しましょう。サラ様もお忙しい御方ですが、あなた方が精霊に選ばれたヒトであれば、恐らくはお会いになると思われます。
こちらでしばらくお待ち下さいませ。わたくしはお迎えに上がらねばならぬ故、これで失礼させていただきます」
リチャードは私たちに丁寧に頭を下げるとシルクハットを頭上へ掲げ、目玉と一緒にその中へ吸い込まれていった。残ったシルクハットも2体を吸い込むと同時に、空中から掻き消えるように姿を消した。
しかし本当にこの術は、一体どんな仕掛けになっているのだろうか。
そんな疑問はさておき。
「二人とも、この隙にここから脱出するわよ!」
敵から待つように言われて、大人しく待っている馬鹿はいない。
端から見れば大きな眼球が1つ、浮かんでいるようにも見えた。更にその両脇には、コウモリのような黒い羽も生えていた。
見たこともない魔物である。
「これはこれは、サラ様が丁度ご到着されたようですな。
ではお望み通り、面会を許可致しましょう。サラ様もお忙しい御方ですが、あなた方が精霊に選ばれたヒトであれば、恐らくはお会いになると思われます。
こちらでしばらくお待ち下さいませ。わたくしはお迎えに上がらねばならぬ故、これで失礼させていただきます」
リチャードは私たちに丁寧に頭を下げるとシルクハットを頭上へ掲げ、目玉と一緒にその中へ吸い込まれていった。残ったシルクハットも2体を吸い込むと同時に、空中から掻き消えるように姿を消した。
しかし本当にこの術は、一体どんな仕掛けになっているのだろうか。
そんな疑問はさておき。
「二人とも、この隙にここから脱出するわよ!」
敵から待つように言われて、大人しく待っている馬鹿はいない。