ゼロクエスト ~第1部 旅立ち
上位クラスはこちら側から手を出さない限り、攻撃をしてこないと言われているのだ。勿論断言はできないが。
しかし中位クラス以下とは違い、上位クラスの殆どは表舞台には出てこない。噂では全体的に絶対数が少ないらしく、数えるほどしか存在しないという話だった。
中位クラスが人間と対等に渡り合える能力を持つのなら、当然上位クラスはそれ以上の力を持っていることになる。
彼らが私たちを本気で潰そうとすれば、容易に実行できるくらいの能力はあるはずだ。にも拘わらず現在まで、ヒトが滅ぼされるということはなかった。
世間に流れている噂では、ヒトに興味がないから干渉してこないとか、普段は人間に擬態して生活し裏では総攻撃の準備をしているだとか、いろいろな説もあるが真実は定かではない。上位クラスというのは、未だに謎の部分が多いのである。
「例えあの魔物が上位クラスじゃないにしても、私たちが得体の知れないマーキングを付けられたっていうことに、変わりはないのよね」
私は腕に付けられた部分を服の上から擦りながら、地面へ向かって再び溜息を吐いた。
どんな効力なのか分からない術(もの)をかけられるなど、勿論私には初体験のことである。
とばっちりとはいえ、得体の知れないモノを付けられれば恐らくは誰でも不安になるはずだ。
私は一刻も早くその自分の不安を取り払うため、こうやって自力で調べているわけである。
アレックスが持つ特殊な力のことも術医に話せれば良かったのだが、それを言うことはできなかった。
例え英雄の話をしたとしても、鼻先で笑われるのがオチだからだ。
最悪「魔物」と疑われてその場で捕らえられるか、或いは処刑されるかもしれない。アレックスは「魔物ではない」と否定していたが、私は未だに半信半疑のままだった。
しかし中位クラス以下とは違い、上位クラスの殆どは表舞台には出てこない。噂では全体的に絶対数が少ないらしく、数えるほどしか存在しないという話だった。
中位クラスが人間と対等に渡り合える能力を持つのなら、当然上位クラスはそれ以上の力を持っていることになる。
彼らが私たちを本気で潰そうとすれば、容易に実行できるくらいの能力はあるはずだ。にも拘わらず現在まで、ヒトが滅ぼされるということはなかった。
世間に流れている噂では、ヒトに興味がないから干渉してこないとか、普段は人間に擬態して生活し裏では総攻撃の準備をしているだとか、いろいろな説もあるが真実は定かではない。上位クラスというのは、未だに謎の部分が多いのである。
「例えあの魔物が上位クラスじゃないにしても、私たちが得体の知れないマーキングを付けられたっていうことに、変わりはないのよね」
私は腕に付けられた部分を服の上から擦りながら、地面へ向かって再び溜息を吐いた。
どんな効力なのか分からない術(もの)をかけられるなど、勿論私には初体験のことである。
とばっちりとはいえ、得体の知れないモノを付けられれば恐らくは誰でも不安になるはずだ。
私は一刻も早くその自分の不安を取り払うため、こうやって自力で調べているわけである。
アレックスが持つ特殊な力のことも術医に話せれば良かったのだが、それを言うことはできなかった。
例え英雄の話をしたとしても、鼻先で笑われるのがオチだからだ。
最悪「魔物」と疑われてその場で捕らえられるか、或いは処刑されるかもしれない。アレックスは「魔物ではない」と否定していたが、私は未だに半信半疑のままだった。