ゼロクエスト ~第1部 旅立ち
「おや、君たち」
アレックスは入ってきた私たちに気付くと、座っていた窓から離れてこちらへ近寄ってきた。肩に止まっていた数羽の小鳥たちが一斉に、羽音を立てながら開いている窓の外へと散っていく。
「アレックス、なに呑気に小鳥となんかで遊んでいるのよ」
私は少し強い口調で文句を言ってやった。
「別に遊んでいたわけではない。鳥を見ていたら少々疑問が湧いてきたのでな、それを思案していたところだ」
「疑問?」
「うむ。あの鳥たちが食用か否か…」
「知るかっ!」
真剣な表情で答えるアレックスの言葉を、私は速攻で遮った。
「……エリス、何をそんなに怒っているのだ?」
「そうですよ〜。エリスさん目が恐いです〜」
「あ……ああごめん」
目を丸くした二人に気付いた私は、直ぐに謝った。
図書館へ連日通っているにも拘わらず何の成果も上げられないために、ついアレックスに対して八つ当たりしてしまったのだ。何となく罪の意識を感じた私は、少し口調を和らげた。
「それより、窓の近くに立っていたら駄目じゃないの。一応今のあんたは『絶対安静』ってことになっているんだからね」
アレックスは入ってきた私たちに気付くと、座っていた窓から離れてこちらへ近寄ってきた。肩に止まっていた数羽の小鳥たちが一斉に、羽音を立てながら開いている窓の外へと散っていく。
「アレックス、なに呑気に小鳥となんかで遊んでいるのよ」
私は少し強い口調で文句を言ってやった。
「別に遊んでいたわけではない。鳥を見ていたら少々疑問が湧いてきたのでな、それを思案していたところだ」
「疑問?」
「うむ。あの鳥たちが食用か否か…」
「知るかっ!」
真剣な表情で答えるアレックスの言葉を、私は速攻で遮った。
「……エリス、何をそんなに怒っているのだ?」
「そうですよ〜。エリスさん目が恐いです〜」
「あ……ああごめん」
目を丸くした二人に気付いた私は、直ぐに謝った。
図書館へ連日通っているにも拘わらず何の成果も上げられないために、ついアレックスに対して八つ当たりしてしまったのだ。何となく罪の意識を感じた私は、少し口調を和らげた。
「それより、窓の近くに立っていたら駄目じゃないの。一応今のあんたは『絶対安静』ってことになっているんだからね」