ゼロクエスト ~第1部 旅立ち
中から現れたのは、アレックスに負けないくらいの美形の持ち主だった。
20代半ば程だろうか。
顔や体格はアレックスに非常によく似ていたが、髪や目の色は色素薄めのアレックスよりは、若干深い色が混じっているようだ。全体的に大人びていて、落ち着いた雰囲気もあった。
「そういえば何も言わずに出てきたんだったな。ところでリアは元気か? それだけが唯一気がかりだったのだが、どうしても魔王を倒さねば帰れなかったのでな」
「リアは相変わらずだよ、お前がいなくても」
答えたディーンの雰囲気が、先程とは全く違って見えた。
顔を隠している時は何かを企んでいるような不気味な感じだったのだが、今はアレックスと同じように柔らかく、甘い微笑みを口元に浮かび上がらせている。フードを被っているか否かだけで、こうも印象が180度違ってくるものなのか。
「だがまさかお前が、俺たちの会話を聞いていたとは思わなかったよ。いつものように山へ籠もっているんだとばかり思っていたからな。後になってリアがそのことに気付き、お前を捜すよう俺に頼んできたのさ」
20代半ば程だろうか。
顔や体格はアレックスに非常によく似ていたが、髪や目の色は色素薄めのアレックスよりは、若干深い色が混じっているようだ。全体的に大人びていて、落ち着いた雰囲気もあった。
「そういえば何も言わずに出てきたんだったな。ところでリアは元気か? それだけが唯一気がかりだったのだが、どうしても魔王を倒さねば帰れなかったのでな」
「リアは相変わらずだよ、お前がいなくても」
答えたディーンの雰囲気が、先程とは全く違って見えた。
顔を隠している時は何かを企んでいるような不気味な感じだったのだが、今はアレックスと同じように柔らかく、甘い微笑みを口元に浮かび上がらせている。フードを被っているか否かだけで、こうも印象が180度違ってくるものなのか。
「だがまさかお前が、俺たちの会話を聞いていたとは思わなかったよ。いつものように山へ籠もっているんだとばかり思っていたからな。後になってリアがそのことに気付き、お前を捜すよう俺に頼んできたのさ」