ゼロクエスト ~第1部 旅立ち
「む……それはまずいな」
「もし戻るというのなら、事態が修復できる今のうちがいいと思うぜ。
取り返しがつかなくなったらお前、もう二度とあの村の敷居を跨げなくなっちまうからな」
その言葉を聞いたアレックスの顔は、端から見ても分かるほど真っ青になっていった。そして何かに怯える子犬のような目をしながら、両腕を抱え込んでガタガタと震えだしたのである。
「そそそれは……村の皆にも迷惑を掛けてしまう。……むぅ……やはりここは俺が一先ず、村へ帰らねばならぬのか」
(アレックスの妹って…?)
一体どんな女の子なのだろうか。訊いてみたいが、彼の顔色を見てしまったら何となく訊くのは恐いような気もする。
何れにせよ私たちはリアに会って、この刻印のことを確かめなければならない。
流石に面識のない客人を、どうにかするという行為はないだろう……恐らく。
斯くして、最後までごねるアレックスを懐柔した私たちは、ようやくこの町を出発することになったのである。
「もし戻るというのなら、事態が修復できる今のうちがいいと思うぜ。
取り返しがつかなくなったらお前、もう二度とあの村の敷居を跨げなくなっちまうからな」
その言葉を聞いたアレックスの顔は、端から見ても分かるほど真っ青になっていった。そして何かに怯える子犬のような目をしながら、両腕を抱え込んでガタガタと震えだしたのである。
「そそそれは……村の皆にも迷惑を掛けてしまう。……むぅ……やはりここは俺が一先ず、村へ帰らねばならぬのか」
(アレックスの妹って…?)
一体どんな女の子なのだろうか。訊いてみたいが、彼の顔色を見てしまったら何となく訊くのは恐いような気もする。
何れにせよ私たちはリアに会って、この刻印のことを確かめなければならない。
流石に面識のない客人を、どうにかするという行為はないだろう……恐らく。
斯くして、最後までごねるアレックスを懐柔した私たちは、ようやくこの町を出発することになったのである。