ゼロクエスト ~第1部 旅立ち
中へ入ると、ギルド内には数人ほどの客がいるだけだった。大きな町のわりにはあまり混雑している様子はない。多分、時間帯にもよるのだろう。

室内は思ったよりも広くはなかった。中央付近には長椅子が背を合わせるように2つ並んでおり、2〜3人の人間が各々座ってくつろいでいた。両脇には人の背丈ほどの常緑性植物も植木として置かれていた。

奥壁にある掲示板には、数枚程度の小さな紙切れが乱雑に貼り付けられている。隣にある受付カウンターには事務職員風で頭の薄い、年配の小さなオジさんが退屈そうに新聞を広げながら座っていた。

見渡してみればハイゼン村と似たような光景である。

私は他町のギルドにはあまり行ったことがないし、この町へ寄るのも初めてだった。もしかしたらギルドという場所は、何処の町でも似たような造りになっているのかもしれない。
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