ゼロクエスト ~第1部 旅立ち
ヴォーウルフたちは、村の食料があるこの場所を最終的に狙っている。

倉庫には小動物しか通れそうにない狭い天窓があるだけで、出入り口は私が入ってきた1箇所のみ。

それにこの建物は、村の大事な農作物を保管しているだけに、多少の衝撃で壊れるほど柔な造りではないはずだ。

となると、この出入り口さえしっかりと押さえられれば、ヤツらはこの中に入って来られないのである。

二人が会話をしている最中、突然この敷地を囲んでいる塀が爆砕した。それも左右同時2箇所である。

その向こうから現れたのは、予想通りヴォーウルフだった。左に2匹、右に3匹いる。

「どうやらお客さんのようだ」

そう言うと二人は左右に分かれ、それぞれの方角に駆けていった。
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