ゼロクエスト ~第1部 旅立ち
『ギルド』とは、王国が統轄している直属の機関で、旅人のための休憩場所として各市町村に設置されている施設のことだ。しかも格安な上に旅人ではなくても使用できるというので、一般的にも広く利用されていた。
宿屋とは違い泊まることはできなかったが、浴室や軽食、娯楽室などの設備も完備されているので、大抵の者は必ずここを訪れる。
それは商人だったり、私のように修行中の術士だったり、あるいは傭兵を生業としている者だったり。
私は今すぐにでも掲示板へ向かいたかったのだが、それより身体の汚れを落とすのが先だった。
こう見えても私はまだ、花も恥じらう17歳の乙女である。
こんなにも汚れてしまっている自分の外見が、どうしても許せなかったのだ。
私は速攻で浴室に向かうべく、受付に設置されている料金箱へ小銭を落としながらオジさんの目の前を素通りしようとした。
だがそこで不意に呼び止められる。
「あんた、精霊術士かい?」
オジさんは読んでいる新聞から目を離すと、値踏みするように私をじっと見詰めていた。
「ええ、そうよ」
私は少し戸惑い気味に無い胸(自覚あり)を精一杯張って答えた。
宿屋とは違い泊まることはできなかったが、浴室や軽食、娯楽室などの設備も完備されているので、大抵の者は必ずここを訪れる。
それは商人だったり、私のように修行中の術士だったり、あるいは傭兵を生業としている者だったり。
私は今すぐにでも掲示板へ向かいたかったのだが、それより身体の汚れを落とすのが先だった。
こう見えても私はまだ、花も恥じらう17歳の乙女である。
こんなにも汚れてしまっている自分の外見が、どうしても許せなかったのだ。
私は速攻で浴室に向かうべく、受付に設置されている料金箱へ小銭を落としながらオジさんの目の前を素通りしようとした。
だがそこで不意に呼び止められる。
「あんた、精霊術士かい?」
オジさんは読んでいる新聞から目を離すと、値踏みするように私をじっと見詰めていた。
「ええ、そうよ」
私は少し戸惑い気味に無い胸(自覚あり)を精一杯張って答えた。