ゼロクエスト ~第1部 旅立ち
それから4〜5日程経ち、家の修理がほぼ完了した頃になって、ようやく話を切り出すことができたのだが。

「ふーん」

父は新聞を読み、お茶を啜りながらその一言を言っただけだった。

しばしの沈黙。

「やっぱり父さん、絶対に私の話を真剣に聞いてないでしょ」

怒る気も失せる。

「別に聞いてないわけじゃないさ」

父は新聞を折りたたみながら、ここで初めて私に顔を向けた。

「お前が精霊術士になりたいと言った時から、いつかはそんなことを言い出すんじゃないかと思っていたしな」

「じゃあ、なんで返事をしてくれないの? 旅に出て良いのか悪いのか、それだけでも言ってよ」

「お前はどうなんだ?」

「? どう…って?」

逆に聞かれ、私は戸惑った。

「お前は今すぐにでも、旅に出たいのか?」

「今すぐに?」
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