ゼロクエスト ~第1部 旅立ち
第2章 洞窟
出会い
私は急ぎ足で歩いていた。
日が暮れる前に、一刻も早くこの森を抜けたかったのだ。この場所でまた野宿をしたくはない。
しかし私の願望とは裏腹に、いくら歩き続けても見慣れた樹木が延々と生えているだけで、魔物の気配さえも感じられなかった。
森の奥深くにでも入り込んでしまったのではないか、という一抹の不安も芽生えてきた私は、立ち止まって周囲を見回した。
何処までも続いている薄暗い森。色づいた木々の隙間からは、空で光輝いている日が見える。日がこの角度で見えるということは、今はどうやらお昼時のようだ。私の腹も丁度それを示していた。
私は剥き出しになっている木の根に腰を下ろすと、ここで休憩を取ることにした。昼間ずっと歩き通しだったため、疲れていたのだ。
一息吐いて水筒の水を飲もうとした時、突然背後から足音が聞こえてきた。
(! 魔物!?)
私は咄嗟に、腰を下ろしていた樹木へ隠れる。
日が暮れる前に、一刻も早くこの森を抜けたかったのだ。この場所でまた野宿をしたくはない。
しかし私の願望とは裏腹に、いくら歩き続けても見慣れた樹木が延々と生えているだけで、魔物の気配さえも感じられなかった。
森の奥深くにでも入り込んでしまったのではないか、という一抹の不安も芽生えてきた私は、立ち止まって周囲を見回した。
何処までも続いている薄暗い森。色づいた木々の隙間からは、空で光輝いている日が見える。日がこの角度で見えるということは、今はどうやらお昼時のようだ。私の腹も丁度それを示していた。
私は剥き出しになっている木の根に腰を下ろすと、ここで休憩を取ることにした。昼間ずっと歩き通しだったため、疲れていたのだ。
一息吐いて水筒の水を飲もうとした時、突然背後から足音が聞こえてきた。
(! 魔物!?)
私は咄嗟に、腰を下ろしていた樹木へ隠れる。