ゼロクエスト ~第1部 旅立ち
私は訳も分からずに手を引っ張られていたが、しかし突然。

「このまま一気に乗り込むぞっ!」

「は?」

徐々に木々の切れ目から見えてきたモノは、雲にかかるほどの巨大な岩山がそびえ立つ光景だった。その真下には刳り抜かれてできたような穴が1つ、大きな口を開けて待っていた。

その前には魔物が2匹いた。昨日のケンタウロスたちの仲間だ。私たちは真っ直ぐそこに向かっていたのだ。

当然魔物は私たちに気付く。

しかし剣士はそれでも走るのを止めなかった。そしてそのまま握っていた手を放すと、腰に差していた長剣(ロングソード)を引き抜きながら、魔物にそのまま突っ込んでいったのである。
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