ゼロクエスト ~第1部 旅立ち
私は剣士が敵を斬る直前で術を解除すると、残るもう1匹に向かって光の矢を放っていた。

しかし外れる。

攻撃を受けた敵はそのまま私を次の攻撃目標に切り替えると、矢をこちらへ投げつけてきた。

だがその直後、剣士がその身体を斬りつけたのである。敵の気が剣士から逸れた、僅かな間だった。

(この人、なかなかやるのね)

腕のほうは確かなようだ。単に顔が綺麗なだけではないらしい。

「よし、では中へ入るぞ」

剣士はそう言うと洞窟の中へ、何の躊躇いもせずにそのまま入っていった。

「!? だから何で??」
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