ゼロクエスト ~第1部 旅立ち
多勢に無勢。
今は燃えさかる炎に阻まれていて確認はできないが、先程見た限りでは恐らく10体以上はいたと思う。一人で戦っても勝ち目がないことは一目瞭然だった。
父からは「無駄で勝ち目のない戦い方はするな。もしそのような状況に陥ってしまったなら、迷わず逃げろ」と教えられてきた。『逃げる』という行為自体も、立派な戦術の一つなのである。
「そんなことできないわよ。大体、あなた一人で何とかなるとでも思っているわけ?」
「無論だ。何故なら俺には『根性』という切り札があるからだ! 根性で乗り切ってみせる!!」
アレックスは右拳を前へ突き出し、真剣な表情でキッパリとそう言い切った。そこには寸分の迷いも感じられなかった。
(根性が切り札…て、オイッ)
この男、正気なのだろうか。現実的に考えてみてもそんなものだけで、簡単に窮地を脱することなど不可能だ。しかもこのような状況で、何故『根性』が切り札なのだろうか。わけが分からない。
今は燃えさかる炎に阻まれていて確認はできないが、先程見た限りでは恐らく10体以上はいたと思う。一人で戦っても勝ち目がないことは一目瞭然だった。
父からは「無駄で勝ち目のない戦い方はするな。もしそのような状況に陥ってしまったなら、迷わず逃げろ」と教えられてきた。『逃げる』という行為自体も、立派な戦術の一つなのである。
「そんなことできないわよ。大体、あなた一人で何とかなるとでも思っているわけ?」
「無論だ。何故なら俺には『根性』という切り札があるからだ! 根性で乗り切ってみせる!!」
アレックスは右拳を前へ突き出し、真剣な表情でキッパリとそう言い切った。そこには寸分の迷いも感じられなかった。
(根性が切り札…て、オイッ)
この男、正気なのだろうか。現実的に考えてみてもそんなものだけで、簡単に窮地を脱することなど不可能だ。しかもこのような状況で、何故『根性』が切り札なのだろうか。わけが分からない。