ゼロクエスト ~第1部 旅立ち
一体この洞窟は何処まで続いているのか。私とアレックスはその一本道を、ただひたすら走り続けていた。

「お疲れ様ですぅ〜♪」

途中、光を携えたエドが軽く唄いながら暗がりから出てくる。

その光は私もよく使う、光属性の灯りである。私の場合は球体の形をしており、空中に浮かすこともできるが、エドの武器は楽器なので、手に持っているそれがそのまま光っていた。エドは光属性の使い手なのだ。

私は息を切らしながら立ち止まると後ろを振り向いた。敵が追ってくる気配はない。

「あいつらが追ってこないなんて変ね」

ロック・マンはともかく、入口付近にいた十数体のケンタウロスが全く追いかけてこないのはおかしい。
< 94 / 211 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop