ゼロクエスト ~第1部 旅立ち
「多分、外の見張りでも任されているのかもしれませんねぇ〜」

「外の見張り?」

「くそっ」

声に反応して反射的にその方向を向くと、アレックスが四肢を地面につけ、項垂れている姿が目に入った。

「なんてザマだ。この俺が敵に背を向けるなど、断じて有り得ん! 醜態だ。屈辱だ。惨めだ!」

何故かしきりに悔しがっている。しかも拳を地面へ叩き付けながら。

(ナニ…このヒト)

私は冷めた視線を投げ掛けた。と同時に、何かが私の中で一気に引いていくのを感じていた。
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