【短】彼女と映画。
そうして、映画は始まった。
なかなか感動する話であった。
隣りにいた彼女は少し泣いていたらしく、映画が終わり明るくなって見てみると目が真っ赤になっていた。
…可愛い。
「大丈夫?」
「うん…あたし、結構涙もろくてさ…。」
タオルで拭きながら彼女は答えた。
「可愛いからいーよ。」
「え?」
彼女は真っ赤な顔して聞き返す。
聞いてたくせに…。
「なんでもねーよ。」
俺はポップコーンとコーラのゴミをゴミ箱に捨て、外へ向かう。
「ま、待ってよー」
彼女は慌ててゴミを捨て俺に付いてくる。
「あ、そうだ、あたし、行きたいところがあるの。」
そう彼女は笑顔で俺の手を引き、映画館を出る。
行きたいところ?