社長の息子と恋
4.
心吾side
「心吾は将来社長になるの?」
突然俺の家に遊びに来た時、心亜がお袋と親父に聞いた。
「…え?」
お袋と親父が同時にこちらを見た。
ソファーでくつろぐ親父がグルリとテレビに向き直り、素っ気なく返事をした。
「別に心吾がなりたくねぇなら俺は無理になれとは言わねぇ。」
「それに、この人はなかなか死ななそうだし?」
人事みたいに笑ってそんな事を言うお袋に呆れた。
「ふぅん。」
『俺はならねぇぞ。
社長の息子だからって関係ねぇからな。』