社長の息子と恋
揃った俺達の声にお袋は楽しそうにクスクス笑った。
『笑ってんじゃねぇよ。
ほら、心亜部屋行くぞ。』
心亜の手を引っ張って俺は広間を後にした。
部屋に入ると、心亜は照れた顔で立っていた。
『何してんだ。
ほら、ここ来いよ。』
ベッドの上を叩いてやると、ちょこちょこと俺の横に座った。
『……緊張してんの?』
顔を覗き込むと、カァッと赤くなって顔を背けた。
「うるさい!
緊張しちゃ悪い!?」
勝手に綻ぶ口元を隠さず俺は心亜の顔を無理矢理こちらへ向かせた。