社長の息子と恋



「…ん?
お前まだ寝てねぇのか。
明日学校だろーが、早く寝ろ。」


夜中広間に行くと、風呂上がりにビールを片手に持った親父。


『親父。
親父は高校ん時とか大学で何になろうと思ってた?』


キョトン、とした顔で俺をガンミする親父が何故か怖かった。


「…は?
何いきなり。
すげぇ親子みてぇな会話だな。」


『いやいや、一応親子なんだけど。』


俺のツッコミには完全無視でテレビを付けて肩から掛けたタオルで頭を拭いた。
息子の俺が見ても親父はかっこいいと思うし、俺様代表って感じのこの人が、親に決められた社長の地位を素直に受け継いだのが不思議だった。


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