社長の息子と恋
下を見つめて黙ったままのおれを親父はくははは!と笑って俺の頭をグシャグシャと撫でた。
『…なんだよ!』
親父の手を払うと、ニッと笑って少し顔を上に向けたまま俺を見下ろし、妙にセクシーで偉そうに言った。
「焦るな。
俺達は口出ししねぇから、ちゃんとお前の好きな事をしろ。
まだ道が分からないならゆっくり探せばいいだけだぞ。」
誰よりも親父に言われるのが一番安心する。
本当に味方でいてくれるような言葉と存在感。
こんな時、偉そうな自分もまだまだガキだな、と感じる。