社長の息子と恋
直哉は素早く心亜の前に行くとにっこり笑って言った。
「初めてまして。
心吾の友達の直哉です。
直哉って呼んでね!
…それにしても……
めちゃくちゃ可愛いね。」
「初めてまして、直哉先輩。
いや…全然ですよ。」
『どけ、邪魔だ。
お前は大好きな部活でもしてこいよ。』
グイッと直哉の頭を押し退けてサラリと言ってその場を後にした。
俺の横で心亜は直哉にペコリと頭を下げた。
そんな心亜にニコニコ手を振りながら直哉が小さく
「こいつに近寄るな、手出すな、って素直に言えばいいのに。
威嚇しちゃって可愛い。」
なんて言っていたとは俺は知らない。