社長の息子と恋
退けと言ったのににんまりして席を退こうとしない直哉。
『おい……』
「心亜ちゃん。
いい子だねぇ~。」
……………………。
ジロッと上から直哉を見下ろして低い声を出して直哉の顎を掴んだ。
『なんで心亜の名前を知ってるんだ。』
「さっき会って話した。」
俺の手を退けてまっすぐ俺を見上げた。
『お前は何がしたいんだよ…。』
近くの椅子に座って俺は一人項垂れた。
「心吾をからかいたかっただけなんだけど、心亜ちゃんがいい子過ぎてびっくりした。」