社長の息子と恋



『………何話したんだ。』


「気になる?」


ニヤニヤしながら俺を見る直哉を殴りたくなった。


『死ね。』


それだけ言うと俺は廊下へ出た。


俺はずるい。
自分の気持ちは絶対言わない癖に誰かが心亜に近づくのをひどく嫌がる。


それを恋だとか呼ぶのかは知らないが、心亜が特別なのは認識している。
だけど人にそれを知られるのが嫌だ。


優しくする事も出来ないし、ひどい事ばかり言ってしまうが、出来れば優しくしたいし甘やかしてやりたい。
だけど今更そんな事照れくさくて出来るわけがない。


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