社長の息子と恋
「やだ!!」
後ろから少し怒った声で言った心亜を俺は振り向いて不機嫌に言った。
『あ?』
「怒ってる理由言うまで降りない!」
『降りろ。』
「降りない!」
『降りろ!!』
「降りない!!」
俺が睨んでも心亜は睨み返して来る。
自転車から降りて心亜を見下ろすと、大きな目に涙がたまっていく。
「理由話してくんなきゃあたし分かんないじゃん!
心吾怖いしさぁ!」
抱きしめてやりたくなる気持ちを抑えて俺は心亜の鼻をつまんだ。