社長の息子と恋



前と同じ場所に着くと、クルリとあたしの方を向いた。


「心亜ちゃんって、いつも楽しそうにしてるのに、どうして今日はそんなに泣きそうな顔して歩いてんの?」


『………え?』


何故か直哉先輩の方が切な気な顔をした。


「話してみな。
心吾の事なら俺が一番相談しやすいと思うよ。」


優しく笑って座りながらあたしを見上げた。


不思議な事に、直哉先輩の優しい笑顔は泣きたくなるような、何も隠せないような気がする。


あたしも直哉先輩の横にちょこん、と座ると美華の話しをゆっくり話した。


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